「自分を信じるな!お前を信じる俺を信じろ!」
今更だけど「天元突破グレンラガン」を観ました。ホント今更だけど。
アニメ制作がエヴァで有名なガイナックスでずっと前から気にはなっていたんだけど、私意外とロボットアニメに億劫で、まあ見だしたら止まらないんだけどね。
で、先日dアニメストア登録した時にアップされていてしかも1月末までの限定だったのでここ最近ずっと観ていました。
ドコモ以外でもOK!アニメ好きならdアニメストアが最強だったと思った話
- 簡単なあらすじ(ネタバレ含む)
獣人と呼ばれる生物の手によって地下に閉じ込められて生活を送っていた人間達。
ジーハ村のカリスマ性を持つ青年、カミナ率いるグレン団は地下に追いやられた人間を地上に導くため、獣人と戦う。
やがてグレン団は獣人の親玉、ロージェノムを倒すことが出来たが、ロージェノムは散りゆく際、意味深な言葉を残していった。
「100万匹の猿が地上に満るとき…月は地獄の使者となりて螺旋の星を滅ぼす」
獣人を倒し、地上で暮らすようになった人間達は平和に暮らし、やがて人口は100万人を突破する。その直後、突如上空に現れた謎の物体「ムガン」が人間を襲う。地上の人間が100万人を超えたため、月(アンチスパイラル)からの攻撃が始まったのだった。ロージェノムはこれを恐れて人間を地下に閉じ込めたのだった。
アンチスパイラルは螺旋生命体、つまり人間の持つ力は全宇宙を滅ぼす危険性があると判断し、せん滅する必要があると考え、人類を攻撃する。それに立ち向かうグレン団との戦いがラストバトル。
従来のロボットアニメやヒーロー作品の敵は基本的に世界征服を目論んだり、正解を滅ぼそうとする等客観的に見て悪行を働くモノが多かった。
しかし『グレンラガン』に出てくる悪の親玉、ロージェノム、アンチスパイラル共々、人間を地下に閉じ込めるのは人類を守るため、世界の滅亡に導かないための手段だった。そう考えると悪というよりは正義である。
そこが「このアニメ面白いなあ」と思ったところ。
保守とリベラルの対立
ボケーっとみるとただのバトルアニメだけど、新しい光を求めて闘うグレン団を現実世界のリベラル、進化の危険を恐れて守ろうとするロージェノムやアンチスパイラルを保守派に置き換えるととても面白い。
ロージェノムは人類をアンチスパイラルの攻撃から守るために地下に閉じ込めた。アンチスパイラルは全宇宙を守るために人間が増え過ぎないよう管理していた。どちらも利己的ではなく、多くの人を救うため。
しかし人類は光を求めて闘った。その結果、多くの犠牲を出したしラストバトルで勝利出来たものの、その戦いでもし負けていたら滅亡していただろう。いやまあアニメ作品だからハッピーエンドなんだけどね。
ロージェノムはグレン団のロシウの「何故それを教えてくれなかった」という問いに対し、「言ってもどうせ人間は従わない」と言ったシーンはとても印象的だった。
結果的に勝利したグレン団は本当に正しかったのか。螺旋生命体(人類)の螺旋力は全宇宙を滅ぼすとアンチスパイラルは言っていたがその後、どうなったかは作中では語られない。
強い力は危険、何か危ない気がする、その程度の考えでアンチスパイラルは人類は危険だと判断していたのかもしれない。いやわからんけどね。
だけど世の中の変化を恐れる人達ってだいたいそうなんだよ。よくわからないから危険、このままの方がいい。だから変化をもたらす因子は潰すっていう考え。
だけどロージェノムじゃないけど、変化ってのは止めることは出来ない。無理に止めようとすると取り残されてしまう。
多くの人々はアニメや空想の世界だと変化を与える戦士たちを応援するけどこれが現実世界だと一変する。人とは違うこと、変化ってのは怖いんだ。私も大人になるとそうなるのかなと思ったら別にそんなことなかった。
グレンラガン総評
コミカルでギャグとシリアスさが上手い具合に混ざり合って展開も早くて退屈しない。たとえるなら『ワンピース』に近いかなとも思った。
ガイナックスの作品だけあってロボット同士の戦闘シーンはとても上手い。ムガンのわけのわからなさもよかったし、ラストの方は『トップをねらえ!』のオマージュも見れたしね。またそれぞれのキャラクターも立っていてさすがといったところかな。
一つ残念なのはカリスマ性のあるカミナが早々と死んでしまうところ。作中でも最も人気のあるキャラクターで物語の中心にいるべき存在であり、アニキ分のカミナとエヴァのシンジ君タイプの主人公、シモンのやり取りが見たかったのに・・・
そのためカミナの死以降やや見る気がなくなってたんだけど、そこからのストーリー性が素晴らしかったので評価出来る。いやホントにカミナ生きていたらもっと素晴らしい作品だったと思うよ。
というわけで☆4つといったところかな。いやでも予想以上には良かったと思います。
というわけで今日はこの辺で。